年末年始の旅行費用は「宿代」と「交通費」のどこで上がるのか
年末年始の旅行で費用が膨らみやすいのは、交通費よりも宿泊費です。観光庁「旅行・観光消費動向調査 2025年 年間値(確報)概要」は、2025年の日本人国内旅行1人1回当たりの旅行支出(旅行単価)を公表しています。旅行単価は48,424円で、このうち宿泊旅行は72,412円、日帰り旅行は20,000円でした。宿泊するかしないかだけで、旅費は3倍以上の差になります。
観光庁「旅行・観光消費動向調査 2025年年間値(確報)」は、2025年の日本人国内旅行消費額を公表しています。消費額は26兆7,845億円で、うち宿泊旅行消費額が21兆7,211億円、日帰り旅行消費額が5兆634億円でした。単純に計算すると、国内旅行消費額のうち宿泊分が占める割合はおよそ8割にのぼります。
さらに観光庁「旅行・観光消費動向調査 2026年4-6月期(1次速報)」によれば、2026年4-6月期の国内旅行単価は50,381円で、前年同期比8.2%の上昇でした(2026年の旅行トレンドも参照)。旅行費用そのものが上昇傾向にあるなかで、この時期のように需要が集中する時期は、宿泊費の抑え方が旅費全体を左右します。
混雑のピークは日付で決まっている
年末年始の道路混雑は、期間中どの日も同じように起こるわけではなく、特定の日に集中する傾向があります。東日本高速道路株式会社・中日本高速道路株式会社・西日本高速道路株式会社・本州四国連絡高速道路株式会社・公益財団法人日本道路交通情報センターは、「年末年始期間の高速道路における渋滞予測について【全国版】」(令和7年11月26日発表)を公表しました。この資料では、令和7年12月26日から令和8年1月4日までの10日間を対象に、上下線ともに1月2日から1月3日の渋滞に特に注意が必要とされ、10km以上の渋滞回数は上下線合計で210回と予測されています。
この予測は令和7年から令和8年にかけての年末年始を対象にしたもので、次の年末年始の渋滞予測を、マネースタディ埼玉ではこの記事の時点でまだ確認できていません。同じ日付がそのまま繰り返されるとは限りませんが、休みの後半(1月2日・3日ごろ)に移動が集中しやすいという傾向自体は、年末年始の高速道路に共通して見られる特徴です。移動日を休みの前半や平日側にずらすだけで、混雑に巻き込まれにくくなります。

穴場になりやすい旅先の3タイプ
この記事でいう穴場とは、宿泊費や移動費が抑えられ、混雑も避けやすい選び方を指します。年末年始に費用を抑えやすい旅行には、共通する3つの傾向があります。特定の観光地名で選ぶのではなく、次の3つの型で旅行スタイルを検討すると、宿泊費や移動費を抑えやすくなります。
| 型 | 特徴 | 長所 | 短所 |
|---|---|---|---|
| 日帰り型 | 宿泊せずに移動と観光だけで完結させる | 観光庁の調査では日帰り旅行の1人あたり支出は20,000円で、宿泊旅行の72,412円より大幅に低い | 移動時間に制約があり、遠方には不向き |
| 施設タイプ選択型 | 稼働率が高い施設ではなく、稼働率が低めの施設タイプを選ぶ | 観光庁「宿泊旅行統計調査(2026年7月・第1次速報、2026年6月・第2次速報)」は、2026年7月の客室稼働率を施設タイプ別に公表しています。全体は60.8%に対し、簡易宿所は30.9%、旅館は40.6%と低めでした。 | ビジネスホテル(74.2%)やシティホテル(71.9%)より低めですが、この数字は2026年7月分であり、年末年始の空き具合を示すものではありません |
| 日程分散型 | 混雑が集中しやすい日を避けて、休みの前半や平日に移動する | 前章のNEXCO予測が示す1月2日・3日ごろの集中を避けることで、移動の混雑に巻き込まれにくい | 休暇取得日の調整が必要になる |
この分散利用の考え方は、年末年始に限らず他の連休でも共通します。シルバーウィークの穴場についてはシルバーウィークの旅行穴場スポット10選でも扱っています。
埼玉から電車・車で行ける近場の候補と、かかる料金の目安
埼玉から近場へ移動する場合、電車と車のどちらを選ぶかで費用の目安が変わります。ここでは移動手段そのものの料金だけを取り上げます。

電車の場合、西武鉄道「池袋線 特急ラビュー」のちちぶ号は、池袋・所沢・入間市・飯能・横瀬・西武秩父に停車します。特急料金は大人1名につき、池袋から西武秩父までが900円、所沢から同駅までが600円です(乗車券は別途必要です)。埼玉県内の所沢発なら、秩父方面まで600円です。
車の場合に使えるのが、NEXCO東日本 ドラぷら「ETC 休日割引」です。この制度は普通車・軽自動車等が対象で、土曜・日曜・祝日に地方部の高速道路料金が30%割引になります。年末年始の移動日を土日・祝日に重ねられれば、その分だけ高速料金を抑えられます。ただし前章の通り、1月2日・3日ごろは渋滞も集中しやすいため、割引が使える日でも出発時間帯には注意が必要です。
特急料金と高速道路の通行料金は性質が異なるため、単純な比較はできません。電車の特急料金は乗車人数にかかわらず1人あたり定額でかかるのに対し、車のETC休日割引は通行料金そのものを3割引くしくみなので、同乗する人数が多いほど1人あたりの負担は下がりやすくなります。1人や2人での移動なら電車の特急料金を、3人以上での移動なら車の通行料金と割引の適用可否を、それぞれ先に確認しておくと選びやすくなります。
旅費を抑えるための予約と支払いの順番
ここまでの内容を踏まえると、年末年始の旅費を抑えるための検討順序は次のようになります。
- まず日帰りにするか宿泊にするかを決めます。観光庁の調査では日帰り旅行の1人あたり支出は20,000円、宿泊旅行は72,412円と3倍以上の差があり、この選択が費用への影響を最も大きく左右します。
- 宿泊する場合は、施設タイプを検討します。2026年7月の客室稼働率は簡易宿所30.9%・旅館40.6%と、ビジネスホテル74.2%・シティホテル71.9%より低めでした。施設タイプによって稼働率の傾向が異なるという点は、宿選びの判断材料になります。
- 移動日を決めます。NEXCOの予測が示すように、年末年始は休みの後半(1月2日・3日ごろ)に渋滞が集中しやすい傾向があります。前半や平日側に移動日をずらせないか検討します。
- 車で行く場合は、移動日を土日・祝日に重ねられるか確認します。ETC休日割引の対象であれば、地方部の高速道路料金が普通車・軽自動車等で30%割引になります。
- 電車で行く場合は、乗車区間ごとの特急料金を事前に確認します。西武秩父方面であれば、池袋発900円、所沢発600円が目安です。
旅費を抑える考え方全般は節約旅行を叶える7つの方法でもまとめています。
よくある質問
年末年始の旅行はいつが混雑のピークになりますか?
直近に発表されたNEXCOの予測(令和7年11月26日発表、対象は令和7年12月26日〜令和8年1月4日)は、上下線の混雑が特に集中する時期を示しています。1月2日から1月3日の渋滞に特に注意が必要とされていました。次の年末年始の予測はまだ発表されていませんが、休みの後半に混雑が集中しやすい傾向は年末年始の高速道路に共通しています。
日帰り旅行と宿泊旅行では、どちらが安く済みますか?
観光庁の調査では、2025年の日本人国内旅行1人あたり支出は日帰り旅行が20,000円、宿泊旅行が72,412円でした。宿泊しないだけで、旅費を大きく抑えられます。
車で年末年始に出かける場合、料金を抑える方法はありますか?
NEXCO東日本の「ETC休日割引」は、普通車・軽自動車等が対象で、土曜・日曜・祝日に地方部の高速道路料金が30%割引になります。移動日を土日・祝日に重ねられるかを、まず確認するとよいでしょう。
埼玉から電車で秩父方面へ行く場合、料金はいくらですか?
西武鉄道の特急ラビュー(ちちぶ号)の特急料金は、池袋から西武秩父までが大人900円、所沢から西武秩父までが600円です(乗車券は別途必要です)。
まとめ
旅費を抑えるポイントは、宿泊の有無・施設タイプ・移動日という3つの選択にあります。日帰りにするか、稼働率が低めの施設タイプを選ぶか、混雑が集中しやすい1月2日・3日ごろを避けるか。宿泊と日帰りの差だけでも、観光庁の調査にある72,412円と20,000円の差である52,412円になり、選び方ひとつで旅費は具体的に変わります。埼玉から近場へ向かうなら、電車の特急料金やETC休日割引もあわせて確認しておくとよいでしょう。
最終更新日: 2026年9月12日
マネースタディ埼玉は、観光庁・NEXCO各社・西武鉄道が公表している情報をもとにこの記事を作成しています。料金・制度の内容は変更される場合があるため、最新の情報は各公式サイトでご確認ください。
本記事に関するお問い合わせはお問い合わせから、個人情報の取り扱いはプライバシーポリシーをご確認ください。
マネースタディ埼玉 編集部
